おとなチャレンジ

やりたいことをやりたいように。総合職二児ワーママの仕事、こどもの教育、趣味との試行錯誤ブログ。

3歳児のプライドと、外面のよさには注意が必要という話

仕事終わり、少し遅めに上の子をお迎えにいくと、担任の先生から話があるという。
帰る準備をして先生と一緒にこちらに来る上の子の姿を、特に普段と変わりないなと思いながら迎え入れたが、先生からの次の一言に衝撃を受けた。

「◯◯ちゃん、今日お外でこけちゃったんです」

え?と子どもを見る。どこも怪我した様子がない。

「怪我は擦り傷くらいなのですが、お顔を打ったようで、鼻血が出てきちゃって…◯◯ちゃんもびっくりしちゃったみたいで、ワーッてなっちゃって…」

それは驚いただろうなと思いながら、そんなに心配していないというアピールも込めて、今は大丈夫そうですね、と私は笑って言った。
おそらくその場に居合わせたら、流血する子どもを見てテンパっていたと思うが、先生の口調がそこまで深刻ではなかった(むしろちょっと軽かった)のと、今の子どもの姿を見ると大丈夫そうだったので、思わずという感じだった。

何かあれば見てあげてくださいね、という先生の言葉に見送られながら、子どもと帰り道を歩いていた。
途中で、下駄箱に入れる上履きを持ってと主張する子どもに、えー自分で入れてきてよ、と言ったのだが、そこからどうも子どもの様子がおかしい。
こちらの声かけに反応せず、ずんずん進んでいく。
どうしたの、と問うと、一度立ち止まり、こちらを向いて、フンッと声に出してそっぽを向く。

どうやらこれは怒っているぞ、と気づいたが、何に怒っているのか検討がつかなかった。
普段より遅く迎えにいったからかな、怪我したのにあまり心配しなかったからかな、上履き持って欲しかったのかな。
何を言っても、態度は変わらない。

そのまま園の出口まで言ったが、なぜか子どもは教室の方に戻り始めた。下の子(別の園)のお迎えに行きたかったが、このまま無理矢理連れていったら阿鼻叫喚の図になるのは確実だったので、これはもう付き合うしかないと心に決めた。
子どもは、教室の前まで戻り、先生の姿をもう一度見て、なぜかくるりとまた向きを変えた。持っていた荷物をこちらに押し付け、そのまま園庭へと走り出した。
ついていくと、園庭にある遊具の上に登って手を振っている。
なぜか機嫌が直っていた。


謎過ぎるので、帰りに自転車に乗っているときに、「さっきなんで怒ってたの?」と聞いてみた。
すると、「鼻血出したの笑ったから」と返事が返ってきた。

それ以上は言わなかったので推測だが、本人としては鼻血を出したことはとても怖くて悲しいことだったのだと思う。
それを親に笑われたことで、本人としてはいたく傷ついたのだろう。
こちらとしては、鼻血を出したこと自体を笑ったわけではなかったが、子どもはそう受け取ったらしい。
親が変に余裕を噛ました結果が生んでしまったすれ違いに、私は大いに反省した。

大人だって、自分が真剣に怖かったこと、恥ずかったことを笑われたら、悲しくなったり、悔しくなったりするだろう。
それは、子どもであっても同じことだと、改めて思い知らされた。
今回は担任の先生と私との間の会話であったが、それでも子どもは自分がどう扱われているかを敏感に感じ取ったに違いない。

子どもは親をよく見ている。
親が、他人との会話のなかで自分のことをどう評価しているかを。
そして、チグハグな態度は、すぐバレる。
言葉と行動を一貫させることの大切さを、身を持って感じた出来事だった。


余談だが、なぜ機嫌がなおったかは今も定かではない。
ただ、怒りを抑えず、かといってぶつけもせず、クールダウンするための行動を取り、最終的には笑顔で遊ぶ子どもに、私よりもよっぽど大人だな…と感心した。
我慢したわけではないと思うが、きちんと自分で切り替えられたところに、大人ばりの精神力を感じずにはいられなかった。